2019.12.25 / manners-about-moneyabroad

初任給の使い道~みんなどうしてるもの?

就職が決まると、残りの学生時代をどうすごそうかと考える一方で、社会人になった自分のことをあれこれ考えたりしますよね。

就職活動の時に出会った先輩社会人を思い出して、そのカッコよさに憧れをいだいたり、勤務地がたくさんある会社の場合は、どこに配属されるのかなぁなどと期待半分、不安半分に思ったり。

そんな中で一番期待したいのは「初任給」でしょうか? アルバイト代よりもちょっぴり大人な雰囲気の「初めての給与」という響きに気持ちがワクワクしてきます。

手取りでいくらもらえるのかについては以前「お給料から引かれる税金① 」でお話をしましたが、何に使おうか? ということを考えるのはやはり楽しみなことですね。

でも使い道を考える前に考えておきたいことがひとつ。そもそも初任給っていったいいくらもらえるのでしょう?

厚生労働省の調査によると大卒の初任給の平均額は20万円ほど。この金額は会社からの支給額であって、手取りにはなりませんね。

社会保険の制度がある企業に勤めている場合は、支給額から社会保険料と所得税が17~18%ほど差し引かれるからです。したがって手取り額は16万5,000円くらいになります。

思ったよりたくさん引かれる! とがっかりされた方もいるかもしれませんが、これも社会人として世の中を支える立場になることのひとつとして自覚してほしいと思います。そして、おおよその手取り額を頭に入れたうえで使い道を考えていきましょう。

さて「使い道」です。先輩たちは初任給をどんなふうに使っていたのでしょう? 保険会社がアンケートを実施していますが、上位に入ってくるのが「生活費に充てる」「親へのプレゼント」「貯蓄に回す」「自分の為に使う」というようなものです。

それぞれにいくら充てるのか、ということについては一人暮らしなのか、親元から通勤しているかによって大きく差がでてくるかと思いますので一言でお伝えするのは難しいように思います。

一人暮らしの方は、家賃、光熱費、食費などの生活費が必要ですから自由に使える金額は限られてきます。けれど親元で暮らしている方も、手取り額全部をお小遣いとは考えずに生活費の一部として家に入れるなど、経済的な自立を考えていけるといいですね。

その上で、手取り額の1割は貯蓄に回せるように頑張ってみましょう。ちなみにお金を確実に貯める方法としては、会社に財形貯蓄の制度があれば、これを使って天引きで積み立てることをお勧めします。

一番確実に貯蓄ができることと、会社によっては金利を上乗せする福利厚生を行っていることもありますから、入社する企業の制度を確認しておきましょう。

財形制度がなければ、お給料を振り込んでもらう銀行で、給与口座から自動的に積み立て口座に振り替えるように手続きをすれば、天引きと同じように先取貯蓄をすることができます。

社会人の経験とともに給与があがっていけば貯蓄割合を少しずつ増やして、独身でいる間は35~40%くらいにできると理想的です。

生活費や貯蓄の金額を差し引いた残りが自由に使える金額になりますが、学生時代に奨学金を利用していた方は卒業後に返済が始まります。

入社後7か月目から返済が始まるために初任給の使い道に入っていませんが、最初のお給料から返済分をよけておくくらいの意識をもっておくと半年後に急に「使えるお金が少なくなった!」とあわてずにすむかもしれません。

社会人のお給料はアルバイト代よりもまとまった金額になるため気持ちも大きくなりがちです。

でも、入ってくる分を適当につかってしまわないように、良い機会ですから家計簿をつけてみてはどうでしょう。最近はいろいろな種類の家計簿アプリがあります。初任給の使い道だけでなく、自分が働いてもらえるお金を自分でしっかり毎月管理をしていけるといいですね。

この記事を書いた人

植田 香代子
1級ファイナンシャルプランニング技能士・産業カウンセラー・キャリアコンサルタント。 大学での授業、新入社員向けの研修、ひとり親の就業相談などの現場で、マネーとキャリアの両面からサポートを行っている。 マネーとキャリアの相談室