2021.07.11 / newseventsbook

課題図書⑮牧野富太郎:日本植物学の父

読書感想文コンクールに今年もチャレンジするぞというみんなへ。今年の課題図書について紹介します。

☆『牧野富太郎:日本植物学の父』はこんな人におススメ☆

植物が好き / 図鑑が好き / 研究者になりたい / 伝記ものが好き / 何かに夢中になりたい

 

最初のページに丸眼鏡、蝶ネクタイの楽しそうなおじさんの写真があります。

絵を描く才能、そしてひたすら植物を愛する才能に恵まれ、「日本植物学の父」と言われる牧野富太郎さんです。

植物採集に行くときはいつもこんな格好で、きちんとした服装は植物への尊敬のあらわれ。大好きな植物に会えるのがうれしくてたまらないから、笑顔になっているとか。

自分のことを「草木の精かも」と言い出すほどに好きだったそうです。

小学校二年生で中退しながら、天下の東大に出入りして研究を進め、日本全国の野山を歩いて集めた標本がなんと四十万点。調べて分類し、名前をつけた植物が1500種類!

たくさんの本や研究雑誌にかかわっていて、今も図書館や書店にならぶ『牧野日本植物図鑑』を作りました。

彼は、研究のためにお金をどんどん使い、裕福だった実家のお店をつぶしてしまいます。結婚して妻と6人の子どももいたのですが、借金とりに追われる貧乏暮らし。

研究の場をなくしたり、貧乏との戦いが続いたりと、波乱万丈の人生ですが、研究にかける情熱とその生き方を支持する人物が次々と現れ、彼を支えていきます。

「いつかかならず、日本の植物のすべてを明らかにする」と誓った牧野富太郎の研究にかける情熱と生き方、支えたまわりの人物などを紹介した伝記ものでとても読みやすく、植物のつくりや分類のしくみなどの科学的資料も満載です。

 

◆本について 『牧野富太郎:日本植物学の父』 文:清水洋美  絵: 里見和彦   出版社: 汐文社 1,760円

この記事を書いた人

あすとれ編集部
編集長・春瀬(編集・ライター兼キャリアカウンセラー)と、ライターさん、就労前世代のモニターバイトさんから成る編集部です。拠点は大阪市内。「こんな記事が読みたい」などリクエスト募集中!