2021.07.11 / newseventsbook

課題図書⑫オランウータンに会いたい

読書感想文コンクールに今年もチャレンジするぞというみんなへ。今年の課題図書について紹介します。

☆『オランウータンに会いたい』はこんな人におススメ☆

野生動物に興味がある / 研究者や飼育員になりたい / フィールドワークに興味がある / 環境問題・森林伐採に関心がある / 絶滅の危険がある動物について知りたい

 

ボルネオ島の深い森。高い木の上で孤独に暮らすオランウータン。あなたはオランウータンについてどれくらい知っていますか?

オランウータンを20年近く追い続けている著者が、「オランウータンに夢中になった理由や研究者を志した話」「ボルネオでの調査の1日」「オランウータンのくらし・親子」などをわかりやすく紹介してくれます。

いじめもケンカもない平和な社会。「俺は強い」と思うと変身するオス。

今まで知ることのなかったオランウータンの生態や不思議な生活がぎゅっとつまっています。とても読みやすい一冊です。

びっくりするのが、オランウータンがまもなく絶滅するといわれているくだり。その原因は私たち日本人にもあります。

農業がさかんになり、ヒトが森を切り開いて畑にしていったことでオランウータンのすむ場所が減っていったのです。

ヒトによる開発が遅れたおかげでオランウータンが生き残ったボルネオ島とスマトラ島でも、熱帯雨林の伐採が進み、また数が減っているそうです。伐採された木は、日本でも建物や高速道路などに使われ、パーム油は洗剤やシャンプーなどにも使われています。

巻頭にある、とても美しい森や愛くるしいオランウータン親子の写真。

ぱらぱらとめくりながら、私たちの暮らし方について、自然破壊についてなど、いろいろと考えさせられる一冊でもあります。

 

◆本について 『オランウータンに会いたい』 著:久世濃子  出版社: あかね書房 1,430円

この記事を書いた人

あすとれ編集部
編集長・春瀬(編集・ライター兼キャリアカウンセラー)と、ライターさん、就労前世代のモニターバイトさんから成る編集部です。拠点は大阪市内。「こんな記事が読みたい」などリクエスト募集中!