2019.12.29 / book-website

なぜ僕たちは悩み続けてしまうのか

『夏美のホタル』 著:森沢明夫

(出版社:角川文庫 704円)

「この世界に自分一人しか存在しないなら全ての悩みはなくなる」という考え方があります。

悩んだり落ち込んだりするのは、他人と比べたり関係性が上手くいかなったりするから、ということですね。

さて、本書は主人公・相羽慎吾という写真科の学生が、なかなか写真のコンテストで結果が出せず悩んでいるのですが、人との出会いを通して自分なりの結論を出していくという話です。

同級生は結果を出している人もいますが、自分は何もできていない。
そんなとき、ガールフレンドの夏美と一緒に、たまたま訪れた田舎のお店で地蔵さんと呼ばれるおじさんと、その母親のヤスばあちゃんという二人と出会うわけです。

「人間ってのは、何かと何かを比べた時に、いつも錯覚を起こす。だから自分と他人をあまり比べない方がいい~中略~他人と比べちゃうと自分に足りないものばかりが目にいって満ち足りているもののことを忘れちゃう」

【引用元】『夏美のホタル』

 

主人公の慎吾は人との関わりを通じて、スポンジのように色んな考え方を吸収していくことで自分自身も変化していきます。
一本道だと思っていた目標への道筋には、いくつものルートがあると気づいていくのですね。

他人が理想的な状態にあるとき、自分が劣っているように感じるかもしれないけれど、そんな時、すこし大変だけどいかに自分を前に進められるか、と考えるのが大事だなぁと思います。

ということで。慎吾のように自分が憧れる何者かになろうとするよりも、コツコツと面白いコンテンツを作り続けていくことがこれからの時代はめちゃくちゃ大切なので、やりたいことがあるけどうまくいかない、というときにこの本を手に取ってみるといいかもしれないですね。

この記事を書いた人

播磨貴文
株式会社あんず堂代表取締役。小・中学生向けのプログラミング教室 アンズテックを運営。教材開発、パートナー教室事業も展開。 株式会社あんず堂