言葉って奥深い!と感じる、ステキな絵本
『すてきってなんだろう?』
文:アントネッラ・カペッティ 絵:メリッサ・カストリヨン 訳:あべ けんじろう・あべ なお
(出版社:きじとら出版 1,980円)
森のはっぱの上で楽しく暮らしていた、いもむし。
ある日、いもむしが散歩をしていると、つかまっていた小枝ごと、ひょういと持ち上げられてしまいした。
目の前に現れたのは、見たことのない生き物の顔。
「すてきな いもむしさんね」と、その生き物が言いました。
「すてき」だって???
いもむしは、まったく知らない生き物に言われた「すてき」という言葉が気になって気になって、仕方がありません。
森に住む、くまやりす、ねずみ、しか、もぐら、そしてからすのいう「すてき」とは、どうやらちがう意味のようです。
森の動物たちそれぞれが「すてき」というのは、他の動物にとっては「すてき」ではないような気がします。
いったい「すてき」の正体は、何なのでしょうか?
森の動物、みんなが「すてき」と声を揃えて、思わず口にすることはあるのでしょうか?
日常で何気なく使っている言葉の意味を改めて考えてみると、よくわからずに使っていることに気づき、この絵本のいもむしのように気になってきます。
自分がこうだ、と思ってる意味が他の人にはまったく通じなくて、がく然とすることがありますよね。
自分は普通と思って使っていた言葉の意味、でもそれは、必ずしも他の人たちにとって同じ普通とは限らないのです。ほんと、言葉って、とっても深いですね~。
この絵本に出てくる森の動物のように、それぞれの意味があるけど、ほかの動物には違う意味で使っていたり……。
絵本に出てくるいもむしのように、ちょっとしたキッカケで言葉の本当の意味を探す旅に出たり……。
そんなことに気づかせてくれる「すてき」な絵本です。
あれ? この「すてき」の意味は……?