2019.12.04 / newseventsbook

イヤな気持ちとの付き合い方を優しく教えてくれる絵本

『ころべばいいのに』 著:ヨシタケシンスケ

(出版社:ブロンズ新社 1,400円+税)

嫌いな人がいたり、嫌な気持ちに悩まされることってありますよね。「なんであの人はいつも私をイライラさせることばかりするんだろう」と腹を立てた経験は誰にでもあるものです。とはいえ、一度ネガティブなことを考えだすと、頭の中がそのことばかりで埋め尽くされてしまい、余計に気分が落ち込むなんてことも。

わかってはいるけど、ついつい抱いてしまうイライラやモヤモヤ。この作品は、そういう時に頭に浮かぶ「みんな石につまずいて転べばいいのに」というような暗い気持ちを否定しません。「こういうことってあるわよね」と寄り添い、「〇〇してみたらどうかしら」と、小さな女の子の語り口調で、怒りや悲しみなどのネガティブな気持ちとの付き合い方を教えてくれます。

形としては、シンプルなタッチの絵本になっていますが、子供だけでなく大人が読んでも学べるヒントが見つかるはず。人の心の動きをテーマにしていますが、自己啓発本のような難しい話もでてきません。

自分のモヤモヤを解消するために読むのもオススメですが、人間関係に悩んでいる友達にプレゼントしてみてもよいかも。どんよりした気持ちに寄り添って、少しだけ気持ちを軽くしてくれる、温かみのある一冊です。(ライター:市川剛史)

この記事を書いた人

あすとれ編集部
編集長・春瀬(編集・ライター兼キャリアカウンセラー)と、ライターさん、就労前世代のモニターバイトさんから成る編集部です。拠点は大阪市内。「こんな記事が読みたい」などリクエスト募集中!