communication⑭集まりの場で緊張をほぐすワザ
学校でもバイト先でも家でも、コミュニケーションって大事。「こんな時どうすればいいんだろう?」と迷うポイントを、ビジネスマナー&コミュニケーションに詳しいゆうこ先生がアドバイス。
CASE⑭集まりの場で緊張をほぐすワザ
大学四年生男子の声:大学のサークルや新入生歓迎の場面など。どんな言葉をかけたら、うまく緊張がほぐれて会話・関係がうまくスタートするでしょうか? 切り出し方・質問や話の内容などについて知りたいです。自分が新入生などで下の場合、逆に自分がサークル会長で年齢が上の場合、両方教えてください。
ゆうこ先生のアドバイス:初めて人が出会う場面では心も口も体も固くなって、まるで「アイス(氷)」のような状態になることがありますね。それを砕くという意味の専門用語で「アイスブレイク」という手法があります。
これから少しずつ身につけていきたい上級コミュニケーションの手法なのですが、今回は簡単にできる入門編の技をご紹介しますね。
1)歓迎することから始めよう
よくある失敗は会合の開始前にバタバタしてしまい、主催者メンバーだけで集まって深刻な顔で直前の打合せをしている光景です。それだけで、集まった人の心は凍ってしまいます。準備は早めに済ませておくこと。「笑顔で明るく盛り上げようね!」「一人ひとりの目を見て話そうね!」などと、短いミーティングで気持ちを温めて、入り口でスタンバイしておきましょう。
「こんにちは」「ご参加ありがとうございます」「自由席です」などと明るく声がけをしてWelcomeすれば、嫌な空気が漂うことはありません。場づくりは準備から始まっているのです!
自分が参加者側のときも、最初が大切なのは同じです。
幹部らしき先輩や、先に来ている同級生を見つけたら、自分から明るく挨拶しましょう。「◯◯部の田中です。本日はよろしくお願いします!」「何かお手伝いすることはありますか?」などと話しかければ、その後の関係性もグッと近くなりますよ。
また、簡単にできる裏技としては、会場に音楽を流しておくことです。私は必ずBGMを流しておくのですが、それだけでも緊張がゆるみます。
※ウェルカムスマイルの法則といいます。
2)場を和ませる自己紹介
基本的なことですが、開会時の最初の挨拶はあらかじめ考えて、練習しておきましょうね。最初が好印象なら、後は付いてくるものです。
「みなさん、本日はお忙しい中を集まってくれて本当にありがとうございます! 部長の◯◯です。よろしくお願いします!」と明るく大きな声でスタートしましょう。
もし、あなたが氷のようにガチガチに緊張しているなら、そのことを素直に開示してしまってはいかがでしょうか? 「上級生らしくうまく話さなければ」「噛んだらどうしよう」などと、良く見せようとする心が緊張を誘って、会場にも伝染しちゃうんですよね。
「緊張で汗かいちゃってます」とか「昨日は緊張で眠れなかったんですよ」などと白状してしまうのは、心理学的にも効果のある方法なんですよ。
話す内容は、親近感が持てる身近な話題やポジティブな内容がお勧めです。
場を和ませたいなら、いきなり決意表明などのお堅い話をしないように(笑)。
参加者同士で自己紹介をしてもらう際には、実は「自由に自己紹介してください」が失敗の元。何を話してもらうのかを決めておくのがお勧めです。
その際、「笑顔で」「相手の目を見て」「大きな声で」など、イラストを添えてポスターを作っておく(板書しておく)と、魔法のように効果的です。
※グラウンドルールの法則といいます。
3.の部分には、「今一番ハマっていること」「昨日の晩ご飯」など、誰でも話せて相手の日常が垣間見れるようなものがお勧めです。
まずは主催者が「では、まずは私がやってみますね!」と明るく自己紹介をして、みんながニコニコするような雰囲気をつくれれば、後は放っておいても温まっていきますよ。
3)困ったときにはペアワーク
一般的に人間は20分以上集中して人の話を聞くのは難しいと言われています。
もし説明が長くなって参加者の表情が硬くなってきたら、いったんブレイクする技を持っておくと安心です。
「では、ここまでの説明を聞いて感じたことを、2人か3人一組で気軽に話してみてください。時間は3分間です!」とアナウンスすれば、一気にワァ~と話し始めることがよくあります。
その後で、「話してみて、何か質問したいことが出たチームはありますか?」と投げかければ、一人じゃないので質問のハードルが下がりますね。ぜひ試してみてください。
※1-2-G(ワン・ツー・グループ)の法則といいます。
もっと詳しく知りたい方は、『アイスブレイク入門』をお勧めします。
『アイスブレイク入門』著:今村光章
(出版社:解放出版社 1,320円)