2017.12.30 / manners-about-moneyabroad

初詣前に知っておきたい! お寺の参拝マナー

そろそろ初詣の相談をしている人も多いんじゃないでしょうか。「新しい一年が良い年でありますように」と願いをこめる初詣。「神社? お寺? どっちに行けばいいの?」なんて声もよく聞きますが、どちらもOKです。ただ参拝マナーはお寺と神社では少し違います。今回はお寺へ初詣に行く際の参拝マナーをまとめてみました。
※神社参拝マナーが知りたい方はこちら → 初詣前に知っておきたい! 神社の参拝マナー

◆山門(さんもん)・門の前で一礼

神社に鳥居があるように、お寺には聖域と外界の境目である山門や門があります。山門・門の前で本尊に向かって胸の前で合唱したままお辞儀し、仏様に挨拶し心を清めます。
聖域と外界の境界線を踏む行為は不作法なので敷居を踏まないようまたいで、右足から入ります。参道では端のほうを歩きます。

◆手水舎(てみずや)で身を清める

この作法は神社でも同じですね。

古来より「水はけがれを洗い流すもの」と考えられています。境内には、参拝者が身を浄めるための場所「手水舎(ちょうずや・てみずや)」があります。手と口を清めましょう。
①右手に柄杓(ひしゃく)を持ち、左手を洗い清める。
②柄杓を持ち替えて右手を洗い清める。
③再び持ち替えて柄杓を右手に持ち、左のてのひらで水を受けて口をすすぐ。すすぎ終わったら使った左のてのひらも洗う。 ※口をすすぐ時、柄杓に口をつけないように注意。
④柄杓を縦にして、自分が持った柄の部分に水を流し、元の位置に伏せて戻す。

※何度も水をすくうのでなく、一度すくった水で①~④を行いましょう。次の参拝者が使うときの水が汚れてしまわないよう、手や口を洗った際の水は外へ流しましょう。

◆ロウソクやお線香をあげて一礼

ロウソク立てがある場合はロウソクを、お線香立てがある場合はお線香をあげて一礼します。ロウソクの明かりで心の闇・迷いをなくし、お線香で自身の体とその場を清めましょう。 ※火を消す時は手であおいでそっと消しましょう。息を吹きかけて火を消すのはNGです。 ※ロウソクもお線香も、他の参拝者が立てた灯明(とうみょう)から火を点けてしまうと、その人の「業」をもらい受けることになると言われていますので注意しましょう。

◆お賽銭を入れてお祈り

賽銭箱があれば一礼し、お賽銭を入れて鐘を鳴らします。お賽銭は投げず、そっと入れましょう。 ※初詣など混雑している時はお賽銭箱の前に来るまで順番を待ちましょう。後方から投げ入れるのはNGです。

胸の前で合掌して一礼します。 ※お願い事は合掌した時に。昨年の感謝の気持ちと今年のお願い事を伝えましょう。 ※「二礼二拍一礼」は神社の参拝方式です。お寺では手を打ってはいけないと覚えておきましょう。 ※祈るときの唱え言葉……言葉は宗派によって、また寺院に祀られているご本尊によって異なります。たとえば、真言宗系であれば「南無大師遍照金剛」、阿弥陀如来(あみだにょらい)様が祀られている場合は「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」など。本堂に説明書きがある場合も多いのでわからない場合は見てみましょう。

仏教では「右手=仏様・左手=自分自身」をあらわしています。両手を合わせ合掌することで「仏様と一体になる」と考えられています。お祈りが終わったら、もう一度一礼。

◆山門・門から出る時

帰る時も、山門・門の外から合掌して本堂に一礼します。

 

流れがつかめたでしょうか? 最後に、お賽銭・ご朱印・数珠の話も紹介しておきましょう。

◆お賽銭はいくら入れたらいいの?

お賽銭に金額は関係ありません。お心だけでいいのです。最近では「25円=二重にご縁がある」「115円=いいご縁」など、「ご縁」にちなんで「5」のつく金額をお賽銭にする人も多いようですね。お寺でのお賽銭には「お布施」の意味があり、金銭を差し上げることで自らの煩悩を捨てるという意味があります。昔は、ろうそくや家で獲れた野菜をお賽銭として差し上げたこともあったといいます。

◆ご朱印って何?

お気に入りのご朱印帳を持参してお寺にお参りする度に集める人も多いですね。本来は「ご朱印=写経をお寺に納めた証し」ですが、納経料を納めれば御朱印を頂けるところが多いようです。

◆数珠(年珠)は右手? 左手?

最近、年代問わず数珠をつける方が多いですね。ブレスレットとしてつける場合は右手・左手どちらでも良いのですが「腕輪年珠」として身に着けるなら左手が正式です。仏教では「左手=自分自身」とされるので、仏様の象徴である数珠を左手につけることで仏様の慈悲が自分に与えられるといわれています。

 

お寺での参拝は「静」が求められるのがポイントです。神社では手を打ちますが、お寺では静かに手を合わせてお参りしましょう。「仏様を敬う気持ち」「(人出の多い時期なので)他人への配慮」も大切に、楽しい初詣を! みなさんの2018年がステキな一年になりますように。

【記事監修】瀬之堂 大澤寺(奈良県)

真言宗高野山派の寺院。さかのぼること1300年、白鳳時代に創建された大澤寺は古くから“目の薬師”、また紅葉の名所として親しまれてきました。本尊=薬師如来(楠一木作り 秘仏 藤原時代初期)。公式サイト=http://daitakuji.com/

この記事を書いた人

あすとれ編集部
編集長・春瀬(編集・ライター兼キャリアカウンセラー)と、ライターさん、就労前世代のモニターバイトさんから成る編集部です。拠点は大阪市内。「こんな記事が読みたい」などリクエスト募集中!