2021.07.08 / newseventsbook

課題図書⑧カラスのいいぶん

読書感想文コンクールに今年もチャレンジするぞというみんなへ。今年の課題図書について紹介します。

☆『カラスのいいぶん:人と生きることをえらんだ鳥』はこんな人におススメ☆

鳥が好き / カラスに興味がある/ 調べることが好き / 森林破壊や生態系に興味がある / 研究者になりたい

 

鳥の中でも、人間にとても身近な存在で、だれもが知っているカラス。

けれど、「真っ黒で不吉」「ごみをちらかしてしまう」など悪い印象を持つ人が多いかと思います。

この本の著者も、カラスにさんざんな目にあわされ、「カラスの弱みをにぎってぎゃふんといわせてやろう」と観察を始めます。

そんな中、人間の都合ばかり考えていたけれど、カラスにはカラスの言い分・都合があることに気づき、通知表まで作ってしまいます。

カラスの観察眼や記憶力、考察力はとても高く、人間の8歳の子どもぐらいの知能があるとのこと。

カラスの巣を壊し、たまごやひなに危険を加えた犯人の顔を覚えていて、その人だけを襲ったり、殻を巣の材料にするために著者が取り寄せている卵を半年間も気づかれないまま盗んでいたり、自分では割れないクルミを道路に落として車にひかせて中の実を食べたり。

観察していてそんな発見が日々あると、おもしろくなってくるだろうなというエピソードが満載です。

もともと、人間が森を壊したために居場所がなくなり、町へとやってきたカラスたち。勝手に人間が「ワルモノ」扱いをしているけれど、なぜそういう行動をとるのかなど「理由」がわかれば、カラスへの見方が変わってくる、そんな一冊。

自分の日常に「なぜだろう?」と疑問を持って、調べてみること、追究することのおもしろさが伝わる本でもあります。

 

◆本について 『カラスのいいぶん:人と生きることをえらんだ鳥』 著:嶋田泰子 絵:岡本順 出版社: 童心社 1,320円

この記事を書いた人

あすとれ編集部
編集長・春瀬(編集・ライター兼キャリアカウンセラー)と、ライターさん、就労前世代のモニターバイトさんから成る編集部です。拠点は大阪市内。「こんな記事が読みたい」などリクエスト募集中!