2020.07.03 / newseventsbook

課題図書③ヒロシマ 消えたかぞく

読書感想文コンクールに今年もチャレンジするぞというみんなへ。今年の課題図書について紹介します。

☆『ヒロシマ 消えたかぞく』はこんな人におススメ☆

広島のことを知りたい / 戦争のことを忘れてはいけないと感じる / 戦争の痛ましい写真は苦手 /

 

「広島の本、戦争の本は、痛ましい写真を見るのがつらい」……そう感じる人も多いかと思います。

この写真絵本は、そういった写真は1枚もありません。今と何ら変わらない、幸せな家族の写真ばかりです。


戦時中の広島。鈴木六郎さん一家は6人家族。

桜のそばで満面の笑みを浮かべる長女の公子ちゃん(9歳)。犬とたわむれる長男の英昭くん(12歳)。道路やガラス戸に落書きをする兄妹。勉強して遊んで、笑う日々。

写真をとるのが大好きな六郎さんは、笑顔あふれる家族写真をたくさん撮っていました。

戦時中でも「あしたは、なにをしようかな」と、家族は未来を信じていましたが……。

 

1945年8月6日。原子爆弾が広島に投下されました。

たった一発の原爆が、一家の幸せな明日を吹き飛ばしてしまいました。

幸せな写真ばかりだからこそ、戦争の恐ろしさ、むごさ、原爆の残酷さをひしひしと感じるように思います。

今の何気ない日常を大切に、感謝して暮らし、「平和な日々」をつないでいくことが大切だと感じさせられます。

 

六郎さんはだいじな荷物を、前もって広島郊外で暮らすお兄さんの家に預けていたそうです。おかげで、六郎さんの家は原爆で全焼してしまったにも関わらず、家族の生きた証、幸せな日々をこうして今も見ることができます。

 

とても読みやすい構成になっていて文字数も多くないので、読書が苦手な子ども、戦争の本に少し抵抗がある子どもでも手にとりやすく仕上がっています。

戦争を忘れてはいけない、いのち・平和を考える機会を持ってもらいたい。著者のそんな願いがひしひしと感じられる一冊です。

 

◆本について 『ヒロシマ 消えたかぞく』 著:指田 和 出版社: ポプラ社 1,815円

この記事を書いた人

あすとれ編集部
編集長・春瀬(編集・ライター兼キャリアカウンセラー)と、ライターさん、就労前世代のモニターバイトさんから成る編集部です。拠点は大阪市内。「こんな記事が読みたい」などリクエスト募集中!