2021.07.04 / newseventsbook

課題図書①あなふさぎのジグモンタ

読書感想文コンクールに今年もチャレンジするぞというみんなへ。2021 年の課題図書について紹介します。

☆『あなふさぎのジグモンタ』はこんな人におススメ☆

絵が好き / 絵本が好き / モノを長く大切に使いたい / ものづくりが好き / くもに興味がある

 

やわらかな色合いのコラージュの絵がやさしい物語を彩っていて、ほっこりした気持ちになる絵本です。

みなさんは、「ジグモ」と聞いて何かわかりますか? くもなんです。このお話の主人公は、ジグモンタというくもです。

ジグモンタは、おしりから出した糸をつむいで巣を作っています。土の中に、くつしたのような細長いふくろの形の巣を作るのです。

そんなジグモンタは、8本の手足を器用に使って服などにあいてしまった穴をふさぐ「あなふさぎ」がとっても得意。代々、この仕事をしてきました。

楽しそうに歌いながらあなをふさいで、仕事が終わるとお茶をのむ毎日です。

使う糸を生地と同じ色に染めてから、8本の手足を上手に使って穴をふさいでいきます。みんな、とっても喜んでくれますし、ジグモンタもあなふさぎの仕事が大好きでした。

けれど、ある日、自信をなくしてしまいます。

コートのあなふさぎを頼んでいたヒキガエルが新しいコートを着てやってきて「古いコートは捨ててもよかったんだけど」と言ったり、ハリネズミの末っ子が「お古はいや」と泣いたり。

 

兄弟姉妹が多いと、下の子がお古をいやがることはよくありますし、新しいものはいくらでも手に入る時代。

「もうこんな仕事、やめてしまおうか」とジグモンタは思うのですが……。

ラストでは、とってもすてきな作品が登場してジグモンタやハリネズミ姉妹に笑顔があふれます。

 

古いものを大切に使い続けることの意味。

修理しながら、ものを大切に使う心。

物作りの喜びや、誰かが喜んでくれたときの幸せな気持ち。

そんなことがうかびあがってくる物語です。

読み終わったあとには、いま着ている洋服や使っているカバンも「修理しながら大切に使ってみようかな」と思えてくるかも。

ものを大切にするココロが育まれそうな絵本です。

 

◆本について 『あなふさぎのジグモンタ』 著:とみながまい イラスト: たかおゆうこ  出版社:ひさかたチャイルド 1,430円

この記事を書いた人

あすとれ編集部
編集長・春瀬(編集・ライター兼キャリアカウンセラー)と、ライターさん、就労前世代のモニターバイトさんから成る編集部です。拠点は大阪市内。「こんな記事が読みたい」などリクエスト募集中!