2017.08.19 / interview

植物を通じて人を社会を元気に! ガーデンデザイナーのお仕事

通り道でふと「この家の庭、すてきだな」って思ったことないですか? いつも過ごす家や学校、行き来する街並みを彩る植物たちに、みな癒されたり元気をもらったりしてるんじゃないだろうか。そんな空間を作り上げる❝ガーデンデザイナー❞の仕事ってどんなだろう? どうすればなれる? ――この道14年のプロに聞いてみた。

 

はるちゃん
ガーデンデザイナーさんって具体的にはどんなお仕事をされているんでしょうか?

ちささん
一戸建てのお庭やマンションのベランダなどのデザインをしています。でもそれにとどまらず、オフィスビルの室内やカフェ・ケーキやさんといったお店、イベント会場の植物を使った装飾もガーデンデザイナーの仕事領域です。

はるちゃん
 ご担当はデザイン部分のみになるんですか?

ちささん
会社によると思いますが、私はデザインだけでなく、植えつけ→お手入れなどの維持管理まで一貫して行います。ご依頼を受けたらまずお客様のところへ出向いて希望をお聞きします。建物の位置、広さ、方角をみて、日当たりや風通し、土壌の水はけはどんな感じかなどの現地調査もするんですよ。

はるちゃん
そっか、日当たりが違えば、選ぶ植物も変わってきますもんね。

ちささん
そうですね。お客様の好みを大事に考えながら環境に合う植物をリストアップし、プランを練って、デザインを考えます。お客様のイメージがわくようにとイラストを描いて持参しています。

はるちゃん
わあ、素敵ですね! どんな風に仕上がるのかよくわかりますね!

ちささん
私は水性ペンや色鉛筆での手描きなんです。CADで描いている人もいますね。

ちささん
決定したら、仕入れ・植えつけをしてお庭は完成します。そして作って終わりではなく、その後のお手入れも大切にしています。最後までちゃんと仕上げたい、植物も人も元気で活き活きが続くように、というのが私の思いなんです。

はるちゃん
なるほど。本当にたくさんの作業をされていると思いますが、このお仕事の一番楽しいところってどういう部分でしょうか?

ちささん
「喜んでもらってるなあ」って本当に感じることができる瞬間が一番楽しいですね。たとえば、大阪市内のマンションのベランダグリーンのお仕事の後に「朝、ベランダに出て癒されてます」って喜びのメールをもらったり、相手の希望を聞いて提案した後、「お願いしてよかったわ」って言ってもらえた時には感動しました。

ちささん
お客様だけでなく、私たちが植えつけした緑を見て❝家に来たお友達や街行く人も喜んで癒されてます❞と聞くことがあり、そんな時この仕事をやってて良かったと思いますね。

はるちゃん
喜んでもらえるものを提案して、実際に作るには植物はじめいろんな知識が必要になると思うんですが、どこで学んだんですか?

ちささん
一般的には園芸高校や大学の園芸学部や専門学校などで学ぶことが多いのかなと思います。私の場合は、植物の知識やデザインイメージなどは、独学ですね。勤め始めた頃から、ベランダで植物を育てはじめ、一戸建てに移ってからは広い庭でいろいろ育てることができました。

ちささん
自分が好きだなって感じる人の本を見て、寄せ植えなどの植物の合わせ方・見せ方など❝型❞を徹底的に真似ながら学びました。

ちささん
そこに、自分のテイスト「もうちょっとおしゃれに」などをプラスしていき、現在のスタイルが完成したんです。

はるちゃん
❝憧れの人のやり方をまず真似てみる❞というのは、どんな仕事でも最初の一歩としてオススメですよね。

ちささん
はい。あとは、専門学校のインテリアコーディネーターアカデミーのガーデンプランナー科でガーデンデザイナーのプロとしての作業工程、「ヒアリングして → パース・スケッチを作る → 見積りを用意してプレゼン」などを1年間勉強しました。一般的にガーデンデザイナーがどういうものか知りたい、仲間とも出会えたら、そんな思いで通いはじめました。

はるちゃん
プロになるとこんな流れで仕事するんだ、ということが学べたんですね。
ちささん
そうですね。加えてデザインセンスやインスピレーション力を鍛えるためにイギリスなど海外のガーデニング本も読みましたね。国内外の植物園、庭、ガーデンショーにも数多く足を運び、実際に観て回りました。

はるちゃん
自分で学んで育てて22年、お仕事として14年目になるんですよね。プロとしてやっていく中で、大変なことってどんな部分ですか?
ちささん
害虫や天候のことなど、自然が相手の部分が大きい仕事だから、❝思った通りにはいかないなあ❞って感じています。もともと日本は高温多湿で、ガーデニングには過酷な環境なのに、年々陽射しが厳しくなったりしているので、メンテナンスにも気をつかいますね。

はるちゃん
個人宅・企業さんのお仕事など幅広く担当されていますが、❝これからこんなことしてみたいな❞って希望はありますか?

ちささん
お客様にもっと喜ばれることをしていきたいですね。御堂筋グリーンチーム活動では、御堂筋に緑を添えることで町を快適にし、「居心地いいなあ」「こんな街に住みたいなあ」と思ってもらえたらと取り組んでいます。植物を通して、生きる力、豊かな社会、平和な世界をめざして何かお手伝いがでいればいいなあと思っているんです。

 

 

 

ちささん
そんな活動を通して若いガーデナーにガーデニングの楽しさを知ってもらいたいのです。人生を豊かにするために、生活にグリーンを取り入れてもらえたら……そういう人の中から同じ思いを持つ人と一緒に働いてもっとガーデニングを若者の趣味や仕事にしていきたいですね。

はるちゃん
教えてもらって、こんな素敵な空間が作れるようになったら楽しいでしょうね!これから目指す人も多いと思いますが、❝ガーデンデザイナー❞の仕事に大切なものって何でしょうか?
ちささん
人と楽しんで会話する力、植物はもちろん人が好きなことでしょうか。お客様の希望を聞き施工し、植物を育て、メンテナンスしていく。その流れの中で、きちんと要望を聞いて提案していくためにコミュニケーション力は欠かせませんね。

はるちゃん
そうですね。中高生のみんなに「こういうことをしておくといいよ」ってメッセージがあればお願いします。
ちささん
親御さんのいうことをあまり聞き過ぎず(笑)、自分の楽しいと思うこと、大好きなことをやっていったらいいと思います。私も、花や植物ばっかり見ていた子どもでした。

ちささん
もうひとつ。流行に敏感になること。世の中の動きをよく見ておくといいと思います。一見関係ないと思われるようなものでも、広い視野でいろんなものに興味を持ち、自分が「何をやりたいか」知っていくことも大事ですね。部活経験など熱く一生懸命になれるものに打ち込むこともいいですよ。

はるちゃん
広く知ることが大事、というお話が出ましたが、ちささん、今でも海外の街や庭を見に行ったりされてますよね。
ちささん
そうですね。広い視野を養うという意味で、海外旅行、学生さんならホームステイとかもおススメですね。私も中高生に戻れるなら留学してみたい(笑)。

はるちゃん
留学かあ、いいですね! 最後に、お店の紹介をお願いします。

ちささん
たくさんグリーンを置いているので気軽に立ち寄ってくださいね。育て方の相談・植物についての悩みなども対応しています。

ガーデニングライフスタイルショップBLUE SHOP

【住所】大阪市大阪市西区立売堀1-5-2 立売堀ビルディング1階(北側)【営業日】月曜・水曜=11:00~19:00/土曜=11:00~17:00 【URL】https://greentapestry.jimdo.com/blue-shop-%E5%BA%97%E8%88%97/

はるちゃん
❝日常にうるおいを❞と、自宅にもオフィスにもグリーンを取り入れる人が最近増えているそうですね。輸入・改良で手に入る植物の種類も増えてきたし、今後もガーデンデザイナーさんの需要がのびていきそうですね!「もっと知りたいなあ」という人はこちら↓ をCheck!

~~求人情報&職場体験~~

アルバイトに来てみたい方、2018年4月から働ける方を募集しています。植物が好きな方、興味ある方はご連絡ください。インターンシップ・職場体験ご希望の方も、気軽にお問い合わせください。

【E-mail】tsukigahora10@gmail.com 【TEL& FAX】06-7504-7140 URL】https://greentapestry.jimdo.com/

 

【プロフィール】2014年「ガーデニングスクール イングリッシュガーデン寄植えの芸術展」にて、ゴールドメダル&校長賞を受賞。

高校卒業後、アパレル系企業にて企画室勤務。退社後、派遣社員としての勤務を経て、2003年からフリーのガーデンデザイナーとして活動を開始。2015年株式会社グリーンチーム創業メンバーのガーデンデザイナーとして参加。現在に至る。

 

~~なるには情報~~

ガーデンデザイナー関係の関連資格 ⇒ ガーデンデザイナー認定試験/グリーンアドバイザー/園芸装飾技能士/造園技能士/造園施工管理技師

こんなサイトも参考にみてね ⇒ http://careergarden.jp/gardendesigner/naruniha/

はるちゃん
ちささん、ありがとうございました!「こんな職種の人にインタビューしてきて」「こんなこと聞いてきて」など、みんなの声を送ってね ↓

この記事を書いた人

あすとれ編集部
編集長・春瀬(編集・ライター兼キャリアカウンセラー)と、ライターさん、就労前世代のモニターバイトさんから成る編集部です。拠点は大阪市内。「こんな記事が読みたい」などリクエスト募集中!