2019.12.27 / book-website

お金について飾り気無しに語ってくれた本

『この世でいちばん大事な「カネ」の話』 著:西原理恵子

(出版社:角川文庫 607円)

 

この本を読んだのは7~8年くらい前でしょうか。漫画家・西原理恵子さんがご自身の体験をもとに書かれたもので、私には想像ができない環境を生き抜いてきた、その凄まじさに身震いするような衝撃を受けたことを覚えています。そして私自身がお金の大事さを改めて感じただけでなく、大学生や高校生にぜひ読んでほしいと強く思ったのを覚えています。

西原さんは裕福ではない家庭に生まれ育ち、東京の大学に進学をしたものの生活費、授業で使う画材費用など何もかもアルバイトで稼ぎ出さなければいけない環境でした。

もらえる仕事は何でもこなす、継続的に仕事を得るために工夫をする、を繰り返し、毎月の収入目標を立てて実践していくのです。その逞しさに私は圧倒されたのですが、ご本人は「自分で『カネ』を稼ぐということは自由を手に入れること」と表現するように努力次第で自分に必要な「カネ」を手に入れることでどん底から這い上がっている実感があったのでしょう。

その後プロの漫画家になりましたが、仕事で求められた題材のために身をもってギャンブルにのめり込みせっかくの「カネ」を失います。でも、その体験があるからこそ「カネ」のもつ力、魅力であり魔力であることを改めて感じられたのではないかと思います。

さらに西原さんは海外の貧困状況にも目を向け、彼らを救うためにはお金を施すのではなく、自立支援が必要だと痛切に感じます。そこから最後のメッセージとして「働くこと」の大切さを私たちに伝えてくれています。

生きるために必死になって働くこと、自分ができる精いっぱいをやってみること、頭で考えるよりも体を動かして生き延びる方法を模索すること、西原さんが伝えてくれているのはとても当たり前だけど、今の日本で暮らす私たちが忘れがちになっていることを伝えてくれているように感じました。

この記事を書いた人

植田 香代子
1級ファイナンシャルプランニング技能士・産業カウンセラー・キャリアコンサルタント。 大学での授業、新入社員向けの研修、ひとり親の就業相談などの現場で、マネーとキャリアの両面からサポートを行っている。 マネーとキャリアの相談室