テレビ広告からデジタル広告の時代へ
学校~家を往復する毎日だと入ってくる情報が限られることも多い。産業トレンドに精通したプロの記事を読むことで知らなかった世界がみえてくるかも。「社会に興味を持つきっかけに」と、今回おススメする記事がこちら。
テレビが広告トップの時代が終わる……
日本最大の広告代理店である電通が出した2018年の世界の広告市場の予測がテレビ業界を震撼させた。長年トップを走っていたテレビ広告がネット(デジタル)広告に首位の座を譲ると予測したからだ。これは、日本のテレビ広告業界で華々しく活躍してきた電通、その会社自らが敗北宣言をしたのに等しい。
民間テレビは番組提供で対価を得るのではなく、スポンサーが番組やコマーシャル制作のために、かなり高額な広告料を電通などの広告代理店に支払い、広告代理店がテレビ局に電波料・製作費という名目で配分する。そのため、給料の高い企業ランキングには、電通のような広告代理店やフジテレビのようなテレビ局が常連となっていた。
スポンサーがなぜそんな高額な広告料を出していたかというと、テレビの消費者への影響力が半端なく強かったからである。ちょっと前まで、テレビドラマは最大の娯楽で、人気ドラマの視聴率が40%を越えていた。スポンサーはこの化け物みたいな視聴率に対して、高額な広告料を出していたわけ。
では、いまは??? 中高生のみんなは自宅で家族とテレビを見ることもあるかもしれない。でも総じて若者はテレビなんてみていない……いや、そもそも持っていない。ある大学が一人暮らしをしている学生にアンケートを取ったところ、テレビを所有している割合が半分を切っていたという。動画を見ないというわけではない。テレビという媒体を介さずに、ネットの動画配信サービスやYouTubeを利用している。これからの広告業界、デジタル広告の時代を制するのは、電通でもフジテレビでもなく、Googleやfacebook、Amazonなどだろう。
中高生のみんなは日々、Google検索などしながら、あちこちに表示される広告に正直、邪魔だと感じているかもしれない。でもふと目に留まる広告もあると思う。もし広告の世界に興味があるのなら、「なぜこの広告が気になったのか」考えてみてはどうだろう? 「どんなサイトにどんな広告があって、どんな意図があるのか」、広告を作る側の目線で考える時間を作ってみることで「若者が見入る広告・思わず見てしまう広告」を将来、生み出せ、広告業界の第一線で活躍できるかもしれない。