課題図書②みずをくむプリンセス
☆『みずをくむプリンセス』はこんな人におススメ☆
「水」の問題に興味がある / 海外のことを知りたい / ほかの国の子どものことを知りたい / 絵本が好き
朝起きたら、まず何をしますか? 顔を洗う? 歯を磨く?
この絵本の舞台はアフリカです。主人公・ジージーは、朝早くに起きるとぼんやりしたまま身支度をして、お母さんと川へ水をくみにいきます。つぼを頭に乗せて、とても遠くまで。
日本では水道のじゃぐちをひねるといつでもきれいな水が出てきますが、世界では、約10億人もの人が水が近くにない生活を送っています。6人に1人がこの絵本の主人公のように、きれいな水を手にできずに暮らしているといわれています。
新型コロナウィルスが世界中に広まり、「手を洗おう」という呼びかけがありましたが、きれいな水がなく手を洗うことができない、という人がとてもたくさんいたのです。
この絵本のもとになったのは、ジョージー・バディエルというアフリカ人モデルの体験談です。
ジョージーは西アフリカのブルキナファソで育った子ども時代、毎朝水をくみに行っていました。
当時、「村に水場があればいいのに」と考えていたジョージーは、現在、「ライアンの井戸」という組織とともに、生まれ育った村や周辺に井戸を作るプロジェクトを始めています。
子どもたちが水くみのために歩く距離は、平均で約6.5キロメートル。サッカー場70個分の長さで、これを毎日歩くそうです。水くみのために、学校にいけない子どももたくさんいます。
「水」は、人間にとって命の源です。
のどが渇いたとき、手を洗いたいとき、お風呂に入りたいとき。きれいで安全な水がいつでもすぐ手に入ることへ感謝し、世界中のだれもが安全な水を手に入れられるようにと願う。
いろんな気持ちがわきあがり、大切なことに気づくことができる一冊です。
◆本について 『みずをくむプリンセス』 著:スーザン・ヴァーデ イラスト:ピーター・H・レイノルズ 翻訳: さくまゆみ 出版社: さ・え・ら書房 1,650円