2017.11.07 / manners-about-moneyabroad

帰国後&進路のはなし

10代で留学すると「戻ってから勉強についていけるかな」「受験に影響しないかな」って気になる人も多いんじゃないでしょうか。逆に「留学したことでどんな変化や成長があったんだろう?」そんな話も知りたいですよね。

今回は、実際に交換留学生として10代の1年を海外で過ごしたみんなの「帰国生アンケート」、そして留学説明会で聞いた帰国後の話をQ&Aで紹介します。

Q.何年生で留学したの?

A.高校1年生=38% 高校2年生=47% 高校3年生=15%

「高校1年生で応募⇒2年生で出発」という人が半分ですね。「中学3年生で応募⇒高校1年生で出発」の生徒は、中高一貫校在籍者だけでなく、約半数が「留学内定後に高校受験⇒1年生で出発」とのこと。

Q.「休学扱い」「留学扱い」どちらで留学したの?

A.休学扱い=50% 留学扱い=50%

※この記事では、留学扱い=「留学先での履修を日本の在学校で単位認定してもらい遅れずに進級・卒業する」を指します※

Q.専門学校や大学への進学期間は?

A.現役入学=92% 一浪=5% 二浪・その他=3%

1年留学した分、進学には時間がかかるのかなと思いきや現役入学が9割超えなんですね。

Q.進路決定に留学体験は影響した?

A.大いに影響した=55% 少し影響した=26% 影響はなかった=19%

約8割が影響したとのこと。説明会ではこんな声も聞けました ↓

『留学前は心理学を学びたいと思っていましたが帰ってから異文化教育に関心がわきました』

『「将来、貧しい国の人を助けたい」と、留学中に夢が見つかりました』

『今、看護の道にいます。留学していろんな人と出会う中、考え方も違う一方で共通項もあって「人は人だな」と感じました。看護は世界に通じるものなので、助産師の資格もとって日本以外でも働きたいですね』

Q.大学生や社会人でも留学はできますが、10代留学の良い点は何だと思いますか?

A.『大学ではどんな勉強するかが決まっているので、留学時の学びも専門分野を深めようという方向になると思います。私は高校生・15歳で留学したのですが、その時期だとまだ何も決まってないので「体験したものを全部受け入れよう」と自然に思えたのが良かったと思います』

『10代は未熟で1年間、親と離れて友達もいなくて相談ができない。だから「自分と向き合う」ことができたと思う。「何をしたいのか・自分はこういう人間なんだ」と知ることができた点が良かった。大学での留学だと勉強がメインになるけれど、高校だと「異文化交流」がメインなのでたくさんの人と出会い、10代でいろんな価値観を知ることができると思います』

Q.留学して「変わったなあ」と思うところはありますか?

A.『留学前は自分のことしか興味がないインドア派だったんですが、自信と行動力がつき、「誰かのために動く」「できるだけ難しい道を選ぶ」という風に変わりましたね』

『留学前後でずいぶん違うなあと思います。ボランティアの方たちが交換留学などのAFS(留学生の受け入れ、派遣、各種交流活動を行う公益財団法人)の活動を支えてくれているのでボランティアを身近に感じるようになり、帰国してから「困っている人がいたら助けられる」などの行動力がついた気がします』

Q.留学してみて気づいた「日本人のいい所・悪い所」ってありますか?

A.『日本人は政治・経済への興味が少ないですね。他国の人はディナーの場でば~っと言い合えるところがすごいなと感じました』

『フィンランドの人は個人行動、日本は集団行動が多く、自分が心細いなと思うと日本人同士で集まってしまう。そんな自分に「なぜ?」と葛藤していました。あと、授業で最初に発言するのはイタリアか中国の人で、日本人は主体性に欠けているなとも感じました。日本人の良い所ですが、プレゼンの時すごく頑張って夜も寝ずに1日2日で皆で協力して一つのものを作り上げられる力があって「協調性」が素晴らしいなと思いましたね』

~参考資料:AFS 2018年派遣プログラム案内『進路についての帰国生アンケート(2012年~2014年出発生)』~

3回の記事で、説明会の様子・実際のプログラム内容・帰国後の進路や思いなどを紹介してきました。

日本ではあまり意識されないと思いますが、海外では20歳を過ぎると「大人」として扱われることが多くなります。10代留学はホストファミリーはじめ多くの大人が「まだ10代」と支え、守ってくれるため、「どの国でもほぼ同じ安全さがあるんだな」「中高生で❝守られる❞年齢の間に、いろんな国を検討してみるというのも面白いかも」今回の取材でそんなことを感じました。

「今、自分にとって何が大事か」あなたが迷ったとき、3回の記事で紹介したリターニー(留学経験者)の声や思い・情報が、先に進むきっかけになればと願っています!

【DATA】AFSとは……1954年に初めて8人の留学生をアメリカに派遣して以来、特定の政治・宗教に偏らず『留学・国際交流』の活動を進めてきた非営利組織です。現在では日本全国75の支部で留学生の受け入れ、派遣、各種交流活動を行っています。AFSの国際本部はニューヨーク、加盟国約60か国、交流国は100か国以上に及びます。AFSで留学できる国は英語圏に偏らず多彩で、世界規模の国際交流を目指して活動しています。

公益財団法人 AFS日本協会 〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-22-14 ミツヤ虎ノ門ビル7階 URL http://www.afs.or.jp/

関連記事 AFSの留学説明会に行ってみた長期留学の一例~年間派遣プログラム(AFS)

 

「こんなことを知りたい」「取材してきて」など、みんなの声を待ってます

★★★投稿はこちら★★★

この記事を書いた人

あすとれ編集部
編集長・春瀬(編集・ライター兼キャリアカウンセラー)と、ライターさん、就労前世代のモニターバイトさんから成る編集部です。拠点は大阪市内。「こんな記事が読みたい」などリクエスト募集中!