2019.12.26 / career-job-hunting

career⑥業界研究Ⅰ

「業界研究」という言葉は聞いたことがあっても、よくわからないという人も多いのではないでしょうか。

「業界」とは、同じ産業や商業を一括りの社会として捉えた単位です。

2019年現在、日本には約410万社の企業があります。学生のみなさんがご自分の進路を考えるために、そのすべてを見るのは不可能ですよね。そこで、まずは大きなまとまりで、全体像を掴むために取り組んでもらいたいのが業界研究です。

 

業界研究の目的は2つあります。

目的①視野を広げる

一つ目の目的は、視野を広げることです。実社会で働いたことのない学生は、自分の趣味や生活に身近な企業を安易に選ぶ傾向がありますが、それでは十分ではありません。幅広い仕事の世界を一通り俯瞰し、自分の可能性を広げるプロセスが大切です。

目的②絞り込む

2つ目の目的は、絞り込むことです。何十万社とある多様な企業の中から自分に適した企業を見つけるには情報量が多すぎます。それぞれの業界の特徴を知ることで、効率的に企業選びを進めることができます。徐々に興味関心の強い業界に絞り込んでいくとよいでしょう。


ⒸMY CAREER 2017

例えば、子どもの頃から乗り物好きな太郎くんが大学生になって将来の仕事を考えているとしましょう。
車にするのか飛行機にするのかを考える前に、まずは車や航空機を「作りたい」のか「売りたい」のか、サービスを提供したいのかを検討した方がいいかもしれません。

現在、大型旅客機を製造しているのはアメリカのボーイング社とフランスのエアバス社ですが、素材や部品を作っている会社なら、日本の東レ(炭素繊維)や三菱重工(ボーイング787の主翼)も候補に挙がります。

一方、サービスを提供したいということなら、製造業ではなく運輸業界に入ります。日本なら全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)などですが、外資系の会社もありますね。

さらに、職種を見てください。飛行機の路線を考えたり、広報活動をしたりする「総合職」、それを補佐する「事務職」、パイロットや整備士、客室乗務員、グランドスタッフなどの専門職など、具体的にどの会社で、どの職種で働くかを決めていきます。

◆次の記事「業界研究②」では業種・業界イメージ図を紹介します。

この記事を書いた人

千葉 裕子
1級キャリアコンサルティング技能士(国家資格)。営業や秘書としてビジネス現場で培った実務経験、3,500件を超える個別カウンセリング実績を活かし、講師業・キャリアカウンセリング業務を展開。自ら考え行動できる「自律した人材育成」を生涯目標に掲げている。個人オフィス・マイキャリアでの活動のほか、ビジネスプラスサポートなどでも活躍中。 ビジネスサポート千葉裕子紹介ページ